「金沢で民泊を始めたいが、規制が厳しいと聞いた。実際どうなのか?」
と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、金沢市では全国標準のルールよりも厳しい運用実態です。
金沢市は、歴史的な景観と住環境を守るため、非常に強力な独自条例を制定しているからです。
■ 選べる主な制度は2つ
① 住宅宿泊事業(いわゆる民泊新法)
届出制で開始のハードルは低い一方、
金沢市独自の「平日営業制限」により、
※実質的な営業日が年間60日程度に激減するエリアがあります。
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住宅宿泊事業法(民泊)と旅館業法の違い・始め方を徹底ガイド
② 旅館業(簡易宿所)
許可制で設備要件は厳しいものの、365日営業が可能
金沢でしっかり収益を出すなら、
こちらが現実的な選択肢です。
データで見る石川県の民泊市場(2026年最新推移)
分母こそ東京や大阪に比べれば小さいものの、北陸新幹線の開通により首都圏からのアクセスの向上に加え海外からの訪日旅行者の増加から根強い需要(マーケット)があります。
石川県内の住宅宿泊事業(届出件数)は、以下の通り着実に増加しています。
2022年:32件
2023年:38件
2024年:45件
2025年:57件
2026年:76件

※特筆すべきは「廃業率の低さ」と「収益の安定性」です。
【重要】金沢市独自の強力な規制と条例
金沢市で民泊を行う上で、絶対に外せないのが
「金沢市住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例」です。
① 住居専用地域での「平日営業禁止」
金沢市内の以下の用途地域では、
第1種・第2種低層住居専用地域
第1種・第2種中高層住居専用地域
平日の営業が原則禁止されています。
営業可能な期間
・土曜正午〜月曜正午
・祝日前日正午〜祝日翌日正午
(実質営業日:年間60日程度)
② 「10分以内駆けつけ」ルール
家主不在型(管理委託)の場合でも、
管理者は施設から概ね10分以内に到着可能な場所にいる必要があります。
③ 近隣住民への事前説明義務
営業開始前に、
・書面
・または対面
での説明が義務付けられています。
金沢市のエリア特性:立地選定の極意
金沢の民泊は、エリアによって運営が大きく変わります。
■ 金沢駅周辺(都市型)
・用途地域的に旅館業が狙いやすい
・ビジネス+観光需要
通年稼働を狙う本格運営向け
■ ひがし茶屋街・主計町(町家エリア)
・外国人観光客に人気
・「金沢らしさ」を重視
高単価が狙えるが、景観規制との戦い
■ 町家の改修コスト
・防火壁
・スプリンクラー
など工事難易度から数千万円規模の改修が必要になるケースもあります。
■ 管理拠点(帳場)の距離問題
施設外にフロントを置く場合でも、
10分以内ルールを満たさないといけません。
まとめ|金沢民泊はキチンと「事前調査」が9割
金沢市は、
・観光資源が豊富
・インバウンド需要が強い
という非常に魅力的な市場です。
しかし同時に、
日本でもトップクラスに開業難易度が高いエリアでもあります。
成功のポイントはこの3つです。
・住居専用地域での新法民泊は収益性が低い
・通年稼働を狙うなら旅館業が前提
・条例(平日制限・10分ルール)の理解が必須
そして最も重要なのは、物件契約前のチェックです。
「この物件で平日営業はできるのか?」
「旅館業まで取れるのか?」
金沢での民泊は、
公図・用途地域・条例の“トリプルチェック”で成否が決まります。
少しでも不安がある場合は、
契約前に専門家へ相談することが最大のリスク回避になります。